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コメディに群像劇がそなわり最強に見える ~てっちゃんの写真館~

2019年7月25日。

その前日に38.6℃とかいうマジで意味の分からない高熱を出し、
喉が痛すぎて眠れず熱が下がらない中、
ウィダーインゼリーを食事として薬を飲み、
その後ポカリスエットをがぶ飲み。
その全ての行動が喉に激痛が走る中、

「ぜってぇ負けねぇからな…」

とつぶやいてました。マジで。
そのセリフはまるで少年漫画の主人公の心。
身体はただの貧弱な病人。

 

どうしても熱を下げて、健康になっておきたかったんですよ。
翌日にどうしても見たい舞台がありました。

新宿御苑前
サンモールスタジオ

東京AZARASHI団

「てっちゃんの写真館」

 

長らくお世話になっておりますそのべ博之さん、
飛志津ゆかりさんが出演する舞台。
こちらに社員一同で観劇することに。

演劇や舞台、あまり明るいほうではありません。
完全に見てない…というわけではないのですが。
僕が演劇の世界を知るきっかけはラーメンズ。
…の小林賢太郎が脚本・演出を担当する「KKP」シリーズ。

※2時間弱あります。

DVD借りて沢山見たなぁ。
あれは全編コメディタッチの舞台となっていて、
演劇の世界を知ったのもそのあたりからでした。
その後知り合いに誘われ、
コメディの舞台を観劇する機会は何度かありました。
それこそ今、小林賢太郎がプロデュースしている「カジャラ」等。

よければ全編見てほしい。

まぁどっちかというと、
今まで見てきたものはコントとしての側面が強いですね…
そんな中、今回の「てっちゃんの写真館」は、コメディの”舞台”です。
多くの登場人物がいて、
場所・人物に明確な設定、人生、過去を背負っていて、
彼らが織りなす何とやらを、たっぷり2時間弱楽しめる場です。

ざっくりとした感想ですが、とにかく無茶苦茶面白かったです(語彙力

群像劇」という一つのジャンルがあります。
映画でもよく使われる手法というかなんというか。
複数の登場人物のストーリーを並行して見せながら
物語が進んでいく方式です。
今回の「てっちゃんの写真館」には、
明確な物語の中心人物(写真館のマスター・お父さん)がいるので、
コレに100%当たるかどうかは微妙なところですが、
この元写真館・現喫茶店を中心として
様々な人物が入れ替わり立ち替わりで
観客がストーリーを追っていくのです。

僕は映画もあまり詳しくはないですが、
2000年の「スナッチ」という洋画が大好きです。
こちらも群像劇の展開で物語を追っていくのですが、
この手法の面白さは、物語の全体を把握している人が
登場人物の中に誰一人としておらず、
そこに起きていることを終始見ていた自分たち「観客」だけ、
というところにあると思っています。
何だか大変なことが起こっていたり、
登場人物の一人ひとりは物事の解決に必死になっているのに、
空回ったり、噛み合わなかったりして、
「な、なんで!?」みたいな顔をするんですよね。
それが我々観客に非常に面白く見えてくる…。
一種の快感のような笑いです。
この感覚、僕は超絶大好きなんですよね。

オープニングだけでご飯26杯イケるスナッチ

今回の「てっちゃんの写真館」は、
元々写真館だった現喫茶店に、
店主・もしくは店にゆかりのある人物が転々とやってきて、
望んだり望まなかったりするひと騒動を起こしていき、
それぞれが見事なまでに噛み合ったり
死ぬほど噛み合わないまま無理やり回していって物語が進み、
何故写真館をやめたのか、悲しい過去と共に明らかになっていく。
やがて店主は無意識のウチに引きずっていた何かを、
霊視ができるアイドル経由で、今は亡き妻と。
そして知り合いのヤンキー娘の婚約相手になりそうな
腕の確かな医者経由で、重い病気にかかった娘に支えられて、
大きな荷物を降ろして、次に進むために過去に戻る!

なんだかバックグラウンドは設定はとてもシリアスなものが多いというのに、
数多の登場人物が抱える問題を全部バーン!て喫茶店に投げ入れて、
「これそういえばあの時の!」と言いながら、笑いながら、
一個ずつ片付けていくような気持ち良さでどんどん展開していく。
そんなドタバタコメディ群像劇。

僕が演劇に興味を持ったきっかけの「コメディタッチの舞台」と、
僕が映画などで好きなジャンルの「群像劇」がそなわり最強に見えるわけですよ。
こりゃあ楽しくないわけがない。
最後には多くの人物が幸せな結末を迎えることができて、
ハッピーエンド至上主義な僕はめちゃくちゃ楽しむことができました。
この演劇に出会えたことに感謝です。ありがとうございます!

 

以下、エセへたれクリエイターもどきとしての感想です。

自分自身、2人組コント…と呼ぶにも気が引けるような、
15分の謎の劇の台本作成、簡単な演出指示、
及び出演を3回しているわけなんですけれども、
この群像劇、どうやって話をまとめて、
どうやって台本書いてるんだろうと逐一考えさせられます…。

多くの登場人物が交差するので、
「どの人物」が「どの情報」を知っているのかは、
把握しておかなければならないのです。しかも全員分。

笑いには話の緩急も大事だし、
これをどこでつけるのかも決めている。しかも2時間。
自分自身、15分の台本でも死ぬほど苦労しているというのに。
いや、もちろんこちらの台本を書いているのも、
出演するのも”それでお金をもらっている人たち”言わばプロなワケですから、
こんなワケのわからないよくしゃべるメガネと一緒に比べるのも失礼なんですが。
でも不思議なのです。
これは慣れなんですかね?経験値の差だけなんでしょうか?
あらゆる勘違いやボケ、それらの伏線回収まで見事にやってのけて笑いを取るこの脚本たるや。
本当にすげぇ。
脳みそどうなってるのか本当に覗きたい。
あわよくば下さい。

そして最後に、出演者の皆様ですよ。
僕らは15分の演技の練習でもめちゃくちゃ苦労しとります。
逐一台本の直しをして、そうして本番の日が近づいていって、
A4サイズで5~6ページの台本すら覚えられねぇとハイパーヒーコラしております。
…いや、そりゃあこんなワケのわからないよくしゃべるメガネ(以下略
演者さんたちにも当然アタマが上がらないワケです。
いや最初から上げようなどとも考えてはいないワケですけど。
沢山の台詞や動きがある中で、アドリブぶっこんで観客は勿論、
演者まで巻き込んで笑いを取るその腕前。
皆様本当に凄まじいですよ。

なんてことを毎回お芝居見るたびに考えます。

 

何かを表現するというのを突き詰めた人は強い。

 

思えばてっちゃんの写真館のストーリーも、
現店主の奥さんが写真という表現を突き詰め、
「あの人の写真が良い」
と多くの人に愛されたことが発端でしたね。
若くして亡くなっても、
亡くなったことを知らなくても、
彼女の事が忘れられない人が集まってきてましたね。

磨かねば!

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