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【観劇感想】ずっと一人ぼっちだったのかもしれないね。~空飛ぶカッパ~

ところで皆さん、先日僕が見に行った
東京AZARASHI団の舞台「空飛ぶカッパ」を
見た感想を聞いたことはあるかい?

そうか、よかった、じゃあ話しますね。

あれは2019年11月28日、14時、
新宿のサンモールスタジオでの出来事でして…

 

 

東京AZARASHI団の舞台を見に行くのは人生で二度目である。

前回は、元写真館で今は喫茶店になっている場所で、
そこの店主を中心に、写真館に、または写真館にいる人、いた人など、
縁のある人々が様々な騒動を起こす、
ドタバタで、コメディで、ハートフルなお話だった(大好き

パンフレットの下の方には、脚本・演出の穴吹一郎さんが
ドラマW「蝶の力学 殺人分析班」の脚本担当されたという告知があr…ドラマW!?
「ふたがしら」「トクソウ」「沈まぬ太陽」「血の轍」等々、
WOWOW限定ながら、非常に人気の高いドラマの数々を放映してきた実績のある枠である。
私はWOWOW加入者ではないし、ドラマも詳しくないのだが
人気があったはず…と言えるのは某レンタルショップにて働いていた過去があるからである。
「蝶の力学」というタイトルの通り、「バタフライ効果」…
“アメリカで竜巻が起こった原因は、遥か彼方で蝶が羽ばたいたから”
…というような超理論で、物事の原因は本当に何でもないようなこと、転じて、
「正確な長期予測なんて不可能だぞ」という意味で使われたりする言葉。
映画で言えば「バタフライ・エフェクト」。
日本語で一番近いのは「風が吹けば桶屋が儲かる」が一番近いか。
そんな理論を中心とした物語展開だという。

さて、その脚本を務めた方が描いたものは、「空飛ぶカッパ」。
なんというインパクトのあるタイトルだろうか。

そのべ博之さんの、スキップで250m走り切るレベルの
あまりに軽快すぎる劇での諸注意の後、
大音量で流れてきたE.T.のメインテーマ。

曲が突然止まり、明転。今回の舞台は病院のようだ。
そこでヨボヨボのおじいちゃんが、昔宇宙人に出会ったという話を延々としている。

ああ、「空飛ぶカッパ」て、もしかしてそういう…

そんな風にして、舞台は始まったのである。

今回の舞台は、前回の「てっちゃんの写真館」ほど登場人物も多くなく、
かなり多くの事件が同時に起きることはない。(それでも同時進行はいくつかあるが)
昔宇宙人に出会っただの、元社長で莫大な隠し財産があるだの、隠し子がいただの、
ボケているのか、そうでないのか、よくわからない、でもとても頑固なお爺ちゃん。

その昔出会った宇宙人を描いた絵が病室にあるらしいのだが、
それを見た人は口を揃えて言う。「どう見てもカッパだよあれ」と。

そのお爺ちゃんを利用しようとする人間がいて、
そのお爺ちゃんを頼りにしている人間がいて、
本当なのか、ウソなのか、そのお爺ちゃん発言に多くの人が翻弄されていく。

途中「ハッピーターン」とかいう凄まじいネーミングセンスの殺し屋も出てくるけども、
物語の中心はずっとそのお爺ちゃんなワケなのだけど、
ねじれていく事件・ストーリーを、最後に
そのお爺ちゃん本人が全ての騒動を解決していくとは思わなかった…!!

実はすごく聡明で、嘘も見破っていて、かなり物事も冷静に見ていて、
ヨボヨボのお爺ちゃん、正直、めちゃくちゃカッコよかったです。

 

「大滝さん、僕が小さいころ宇宙人と出会った話は聞いたことあるかい?」
『はい、もう何度もそれ聞いてます』
「そうか、よかった、じゃあ話しますね」
『………。』

「サインは嫌いなんだよー、昔何度もこれで騙されてきたもの」
『お父さん、サインして♡』
「するよー」

「親を殺すのは戦国時代ではよくあることだから…」

「預金を全額、病院に寄付するよー」
『い、いくらあるんですか!?』
「10万!」

「カッパは空を飛ばないよwwwww」

 

死ぬほど名(迷)言の多いお爺ちゃんですが、物語の終盤も終盤で放った言葉。
お医者さんと宇宙人の話をしていて、お医者さんが席を立った後の独り語り。

 

「僕はお金を沢山稼いできたけど、沢山人を泣かせてきたよ。
だからね、これからは、人を笑わせて生きようと思ったんだよ」

 

この言葉にめちゃくちゃグッときました。
お爺ちゃんの昔を知る人…娘は、

「昔は、敵となる人はコテンパンにして絶対に許さなかった」
「ちゃんとしていれば、お母さんが苦労して死ぬことはなかったのに!」

こんな感じで、仕事一筋、バリバリの超厳しい人だったようです。
どうしてそんなに稼いでいたのか?そして、何で10万しかないのか…
どうやら、山一つ買って、そこにUFOを建設していたんだそうです。
30億かけたけど、途中でお金無くなって、頓挫したとか何とか。
何故UFOを作ったのか?それは、昔出会った宇宙人「ピーちゃん」に
どうしても会いたかったからだそうです。

こんな感じの人生だから、友人と呼べる存在はその宇宙人しかいなかったのかなぁ。
友人と呼べる存在が他にも欲しかったのだろうなぁ。
どうしたら友人と呼べる存在が出来るのか、それを考えた結果が、
自分を愛してくれる人を探すのではなくて、
まずは「人を笑わせて生きよう」と、自分が誰かを愛さないと、とか考えたのかなぁ…
なんて、めちゃくちゃしみじみと考えてしまいましたよ。

…ん、いや、ちょっと待てよ。
どうして「お医者さんと宇宙人の話」をした直後に、
こんな独り語りをしたのだろうか。

 

『それはE.T.ですよ!』
「ちがうよー。なんかあのー、あれー、スピルバーグいう人が、
ぼくに話を聞いて、それを映画にしたんだよー」
『え!?ほんじゃ、その話、E.T.の原作ちゅうことですか!?』
「そうだよー」

 

「人を笑わせて生きよう」というのは、これからは色んな”冗談”で
人を笑わせていこう、だなんて考えたはず。
そう、舞台でも、結局その「ピーちゃん」は一度も出てくることはなかった。
(ストーリー上で看護士さんがカッパのコスプレを披露してはいたが)

お爺ちゃん、その話、本当だったんだろうか…

結局真実は語られることはなく、
このお爺ちゃんから始まり、お爺ちゃんが全て回収し、
お爺ちゃんが謎を残して物語が幕を閉じたのである。

“物語の主役”とはこういうことか、と、
なんというか、とてつもなく関心というか、納得しました。
また是非とも、是非とも見に行きたいと思っております。

 

見に行きたいと言えば、先日僕が見に行った
東京AZARASHI団の舞台「空飛ぶカッパ」を
見た感想を聞いたことはあるかい?

そうか、よかった、じゃあ話しますね。

あれは2019年11月28日、14時、
新宿のサンモールスタジオでの出来事でして…

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